STEP800

クリエイティブコーディングのためのステッピングモータドライバ

STEP800はOpen Sound Control (OSC)を使って8軸まで制御が可能なステッピングモータドライバ基板です。openFrameworks, Processing, Max, Unity, TouchDesigner といったクリエイティブコーディング環境から容易に制御することができます。またArduino Zero互換になっていて、自由にファームウェアを書き換えることができます。
STEP800は大型のモータを駆動することはできませんが、1枚でモータを8台まで制御可能なことから、大量のモータ制御が必要なプロジェクトでの使用実績が多数あります。

STEP800の兄貴分であるSTEP400と多くの共通点があります。詳しい違いについては、こちらのUpdateを参照してください。

現場で生まれたモータドライバ

STEP800は私たちがデザインやアートに関する数多くのプロジェクトに参加する中で生まれたリアルなニーズをもとに作られたモータドライバです。STEP800は以下のような状況に特化して開発・検証されてきました。

  • PCからの指令を受け取ってリアルタイムに動きを変化させる
  • 1台のPCからたくさんのモータを制御する
  • モータの動かし方を様々に検証し、手早くプロトタイプを作る

例えば産業用のモータドライバでは、繰り返し動作に特化していたり、特殊な通信方式が必要だったり、あるいは単純に高額すぎるために、PCからの柔軟な操作が困難です。STEP800はデザイン、アート、音楽の現場で普及しているOpen Sound Controlを通信に採用し、クリエイティブコーディング環境からの制御に特化したステッピングモータドライバです。

精密な制御

正確性

ステッピングモータは1周を200ステップや400ステップに分割して動いていますが、STEPシリーズでは1ステップをさらに128分割して制御できます。1周が200ステップのモータの場合は、軸の1周を25600ステップに分割し、0.014°単位で精密に位置制御ができます。

静粛性

STEPシリーズは制御の1ステップが細かいことから、回転も非常に静かでなめらかです。特に低速域ではトルクも高く、音が聞こえないほど静かに動作します。

完全な同期動作

モータドライバの動作は基板内ですべて同期されているため、長時間回し続けてもモータ間で動作がずれることはありません。また同期クロックの発生には安定性の高い水晶発振器を使用しているため、回転のゆらぎ(ジッタ)が極めて少なく、基板間でも動作がずれません。

スケーラブル

STEPシリーズはEthernet経由で制御するため、Ethernetハブを介して大量のモータを制御するシステムへも簡単にスケールアップできます。

STEP800 in action

ドキュメント

ファームウェア、設定ツール、ハードウェアの設計ファイルはこちらのGithubリポジトリをご参照下さい。
https://github.com/ponoor/STEP800

仕様

駆動可能なモータバイポーラ型ステッピングモータ
軸数8
入力電圧9V-32V 
最大印加電源電圧(絶対最大定格)36V
最大相電流2A/相
基板サイズ122mm x 80mm 厚さ約19mm(突起部を含む)
重量約80g
付属品モータ用4ピンコネクタ x8
番号説明
1MCU, Microchip ATSAMD21G18A
2USB type-C. MCUとの通信用
3イーサネットコントローラIC, Wiznet W5500
4Ethernet端子
5microSDカードスロット. JSONの設定ファイルの読み込みに使用します。
6MCUプログラム用SWD端子
7ID設定用DIPスイッチ
8モータドライバ STMicroelectronics L6470
9モータ接続用コネクタ, 3.81mmピッチユーロスタイル・ターミナルブロック
10HOMEセンサ用端子. JST XA (B03B-XASK-1)
11DC-DCコンバータ CUI P78E05-1000
12逆接防止保護用P-MOSFET
13電源入力用ねじ式ターミナル, M3x2, 32Vまで
14電源入力用DCジャック, 5.5mm/2.1mm/24Vまで
15電磁ブレーキ基板用ボックスヘッダ
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