STEP400 : OSCとプログラミング環境

この記事はこちらのお知らせを翻訳したものです。

https://www.crowdsupply.com/ponoor-experiments/step400/updates/video-programming-environments-and-application-demos

Video Examples

なぜ Open Sound Controlなのか

みなさんこんにちは。今回は実際のアプリケーションやプログラミング環境からSTEP400を動かした例をご紹介したいと思います。
通信ができるステッピングモータドライバの多くは、産業用イーサネットを使用しています。例えば PROFINET®、EtherNet/IP®、EtherCAT®、Sercos III、POWERLINK® といった規格があり、それに対応したソフトウェアを用いて制御します。
それに対してSTEP400は標準的なイーサネットで実装された Open Sound Control (OSC) というプロトコルで通信を行います。これはどういったソフトウェアから使えるものなのでしょうか? OSCはシンプルな規格なので、ネットワークを扱えるほとんどのプログラミング環境から制御可能だと思います。例えばNode.js, Python などでも、OSCを扱うライブラリが準備されています。ここでは、その中でも特にプロジェクトで使った実績のある言語や、βテスターの方による実際のデモ動画を紹介したいと思います。

プログラミング環境

Max

Max, (or Max/MSP/Jitter), は音楽とマルチメディアのためのヴィジュアルプログラミング環境です。Maxには最初からOSCを送受信する機能が組み込まれています。私自身は普段Maxを使っていて、開発中のテストはMaxから行っています。

こちらに開発中バージョンのサンプルがあります。STEP400紹介ビデオの中にも登場します。

Maxは商用ソフトウェアですが、オープンソースで同じ体系をもったPureDataというものもあります。

openFrameworks

openFrameworks (oF) はC++で書かれたオープンソースのツールキットで、私は作者の一人であるZachary Liebermanのファンです。Windows, Mac, Linuxなど様々な環境で動作します。STEP400とそのプロトタイプを制御してきたソフトウェアの中では、Maxに次いで一番多いのがoFです。oFでSTEP400を動かすためのサンプルはこちらにあります。

この非常にややこしいデモ映像は、ベータテスターの一人、時里充さんが作りました。時里さんはYCAMというメディアアートセンターでR&Dを行うと同時に、映像と現実が同期するような作品を作る作家です(また彼は養生テープマニアでもあります)。この映像でも、あらかじめ記録された映像と現実世界の物体が同期して動きます。Raspberry Pi上で走るoFが映像を再生し、同時にSTEP400へもメッセージを送っています。

Unity

ゲームエンジンとしても有名なUnityも実際のプロジェクトでの使用が多い環境です。すごい数の動作環境に対応していますし、現場で最もよく見かける言語です。キャンペーンのビデオでは、OSCメッセージを送るシーンで登場しています。そこで使用したプロジェクトファイルはこちらにあります。

TouchDesigner

TouchDesignerはその安定性と映像に特化した性能でビジュアルプログラミングの新しいシーンを切り開いているように思われます。私自身はプロジェクトで使ったことがなかったのですが、ベータテスターのひつじさんが美しいデモを作ってくれました。

ひつじさんはストイックな要素による作品を作るアーティストで、同時に backspacetokyoにてハードコアなハードウェアプロジェクトでも活躍されています。これは偶然の一致ですが、なぜか彼もテープを使用しています。時里さんとひつじさんは大学の同級生だったそうなので、それが何らかの形で影響を及ぼしているのかもしれません。

アプリケーション

これらのアプリケーションは時里さんによりテストしていただきました。どちらも、時間軸がしっかりと決まっているような公演ではよく使われているソフトウェアのようです。

Vezer

https://imimot.com/vezer/

QLab

https://qlab.app/

次回について

今回はすっかり養生テープ特集のようになってしまいました。次回はよく一緒に仕事をしているメカニズムの会社を訪ねて、原点センサについて、深く掘ってみたいと思います。

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