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STEP400 : ステッピングモータについて

この記事はこちらのお知らせの翻訳をもとにしたものです。
https://www.crowdsupply.com/ponoor-experiments/step400/updates/a-closer-look-at-stepper-motors-and-were-funded

ステッピングモータの便利な点

ステッピングモータ?

モータというと、電池をつなぐとすぐに回るDCモータを思い浮かべるかもしれませんが、ステッピングモータは異なる仕組みで回転するモータです。
その仕組みについては、Adafruitのサイトに素晴らしい解説があります。
制御はあまり簡単ではありませんが、たくさんの利点があります。実はちょっとした実験に最も向いているのではないかと思います。教科書的に言うと利点は正確な位置制御や速度制御、ということになりますが、実際に使ってみた利点は、ゆっくり動かせる、きれいに動かせる、という点だと感じます。

ゆっくり動く

ステッピングモータはゆっくり回転させることができますし、低速域で一番トルクがあります。実はよく考えたら、高速回転よりもゆっくり動くものが必要なことが多いのではないでしょうか。ステッピングモータを使うと、減速機を使わずにモータ軸直結でゆっくり動くものを作ることができます。

静かで滑らかな動き

ステッピングモータは1周を200stepや400stepに分割して動いていますが、STEP400で使用しているステッピングモータドライバ (PowerSTEP01) はマイクロステッピングという機能を備えていて、1ステップをさらに分割して制御できます。この機能は実用的なモータドライバであればどのチップ/機種でも備えているのではないかと思います。PowerSTEP01では1ステップを最大128分割できますので、一周が200ステップのモータの場合は、200x128=25,600ステップの解像度で制御が可能です。
実はマイクロステッピング制御の一番の利点は、ステップを細かくすることによって、ステップ間のジャンプが小さくなり、非常に静かに、滑らかに回転できることです。特に低速域ではほぼ無音で回転させることができます。

実際の使用例

こちらの動画は、私が過去に参加したあるプロジェクトの裏面を映したものです。モータ軸の回転する範囲は45度から90度程度しかありませんが、その範囲を精密に制御することによって、機構部分を最小限の要素に抑えることができました。

注:このプロジェクトはSTEP400の初期プロトタイプを使用していて、PowerSTEP01ではなくL6470というドライバですが、マイクロステッピング機能については全く同一性能です。

良くない点

もちろんダメなところもあります。一番は制御回路が複雑になるところでしょう。ここはSTEP400がカバーできる部分でもあります。また限界を超える負荷がかかると、ある時点で急に位置がずれてしまいます。そして外部のセンサがないとそれを検出することができません。ほかにも、構造上共鳴しやすい周波数があり、回転速さを上げていくとある時点で振動が大きくなったり、脱調しやすくなったりします。STEP400で使っているPowerSTEP01には、センサレス脱調検出という機能がありますが、実際はあまり実用的な機能ではないようです。このあたりは別のポストなどで詳しく説明できればと思います。

Next?

次回は、各アプリケーションから制御するデモをご紹介したいと思います。それではまた次回に!

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